携帯電話のなかったころ

私も気づけば三十ウン歳の立派なおじさんなので、90年代から2000年代の前半にかけてが小中高生でした。

 

大体、高校生の頃から携帯電話が普及し始めました。しかし中学生のころまでは子どもたちが携帯を持つなんてまだ考えられませんでしたね。

(そもそも中学生になるまではインターネットを自宅で見れていなかったし…。)

 

携帯が身近になって、いつの間にか劇的に生活環境が変化してますよね。

それまでは家族が外出してしまったら、そもそも連絡を取る手段がなかったわけですし、それをとりたてて不便とも感じなかったわけですから。

 

ほんの20年前までは子どもの帰宅が遅くて不安になっても、友達の自宅の電話など思い当たるところに電話するくらいしか、親御さんに手段がなかったですよね。

今では必要とあれば小学生にも連絡用の携帯電話を持たせることができます。

 

子どもの立場からしても、お父さんお母さんが日中どこにいるのかなんて、基本分からないし連絡が取れなくても仕方ない、というのが当たり前でした。

せいぜい職場に電話するくらいしかできないわけですし。

 

今、携帯電話を持たずに外出しろと言われると不安になるだろうなあ…。

逆に誰かが携帯電話を持たずに外出して、連絡が取れなかったら、「どうして持っていないの!」と怒るかもしれません。

 

便利だし、もう携帯電話のない時代には戻れないでしょうけれど。

時々、携帯電話がなかった頃ってどうやっていたんだっけ?

と思うときがあります。

 

ただそれだけなのですけどね、改めて考えてみるとびっくりするぐらい変わったなあ、と思うのです。

 

たとえ相手がどこにいても、すぐ連絡がつくのが当たり前、連絡取れないと異常事態。

今の子どもたちは生まれた時から、そうした世界で生きているのだな、と思うとそれはそれですごいなあ、と思うのです。

 

そして、人と人との距離感(物理的にも精神的にも)はやはり変化があったのだろうか、それとも本質的なところはあんまり変わらないのだろうか、などとも考えてしまうのです。